原因と症状
皮膚に存在するマラセチア菌(真菌)が過剰に増殖し、かゆみを伴う症状が引き起こされる状態をマラセチア皮膚炎と言います。マラセチア菌は湿度の高い環境下で増殖しやすく、梅雨の時期には注意が必要です。主な症状としては、赤みやかゆみ、脂漏、フケ、べたつきなどといったことがあげられます。症状が進行すると、犬の毛が抜けたり、皮膚が厚く・硬くなったり、黒く色素沈着したりするケースもあります。なお、爪に感染していると、表面が脂っぽくなるのも症状のひとつです。適度なシャンプーや皮脂の分泌を抑えるフードを与えるなどして予防ができます。
<多い犬種>
シーズー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、アメリカン・コッカー・スパニエル、プードル、柴犬など
<治療法>
基本的な治療としては、抗真菌薬による飲み薬による治療と、マラセチアに対して殺菌作用のある薬剤(ミコナゾールなどの抗真菌薬)や効果のある物質(硫黄、セレンなど)を含むような薬用シャンプー、軟膏などの塗り薬による外用療法になります。
シャンプーによる日々のスキンケアは、脂漏体質の場合には重要なポイントです。治療しはじめの頃や重度の脂漏症では、週に2回シャンプーが必要になることもあります。保湿をしっかりと行いながら皮脂を落とし、本来備わっている皮膚のバリア機能を改善していくことが大切です。